『播磨のめっかい』
あらすじ
播磨国(現在の兵庫県)の貧しい村で、めっかい(盲目)の老夫妻が暮らしていました。ある日、村には疫病が流行し、めっかいの妻が病に倒れます。薬代を稼ぐために、めっかいは琵琶を弾きながら乞食をしていました。
ある夜、めっかいは山中で一軒の家にたどり着きます。家主は優しく、めっかいに泊まることを許し、食事まで用意してくれました。しかし、夜中にめっかいが琵琶を弾こうとすると、家主は激怒して追い出しました。
めっかいは仕方なく村に戻りましたが、妻の病状は悪化しており、薬代にも事欠いていました。途方に暮れていためっかいは、もう一度あの家に助けを求めて向かいました。
すると、家主は態度を一変させてめっかいを迎え入れ、立派な食事と布団を用意しました。さらに、薬代も工面してくれました。めっかいは妻のために薬を買い、命を救うことができました。
実は、家主はかつて悲惨な事故で妻と子を亡くしていました。めっかいが亡き妻に似ているため、家主は怒りが抑えられなかったのです。しかし、めっかいのやさしい心と琵琶の音色が、家主の傷ついた心を癒しました。
登場人物
- めっかい
- めっかいの妻
- 家主
- 妻
- 子
テーマ
- 優しさと慈悲
- 障害への偏見
- 過去からの癒やし
教訓
- 人は見た目で判断すべきではない。
- 思いやりと優しさは逆境を乗り越えることができる。
- 人は過去を乗り越えて前に進むことができる。